感無量
俺には母親がいなく
母の愛情が分からなかった
グレたりはしないと思ってたけど
たくさん迷惑かけた
俺の存在は邪魔だと思った
夢を追ってる時点で
孝行する気もないと思われた
それなのに親父の母ちゃんである
あーちゃんは俺を信じてくれた
口だけは達者だと自分でも思った
けどそれでも信じてくれた
実家の弁当屋で働かせてくれた
毎朝4時起きでやっと寝れてミッドナイト
いつも元気で声が大きいあーちゃんの教え
「人の恩を感無量と言うから」って
人の優しさに触れ
人の愛情に触れ
人の涙に触れ
人の感情を無くしかけた俺を
人として育てあげ
人として働かせて
人として幸せになってほしい
それが願いと言ってくれたのを
隠してる照れくさいのはお互い様だね
18才の時にもう働き始め結婚をして
介護やパートといろんな仕事をしてた
そんな母親の母ちゃんである
おたあちゃんは俺の母親代わりになろうとしてた
責任は感じなくていい
もういいから
俺が学校で起こした問題もすぐに
実家からは遠いところからかけつけてくれた
母の愛情を持ちたかった
そんなわがままでごめんな
事故った時もずっと側にいてくれたな
気づけばミッドナイト
おたあちゃんは寝なくていいのと聞いた
「私は大丈夫だから」ってまた無理させた
人の優しさに触れ
人の愛情に触れ
人の涙に触れ
人の感情を無くしかけた俺を
人として育てあげ
人として働かせて
人として幸せになってほしい
それが願いと言ってくれたのを
隠してる照れくさいのはお互い様だね
俺が東京に行く時にこっそり渡した
裸の札をあーちゃんは何も言わなかった
何も言わなくてもわかってた
俺の事が心配でしょうがなかった
だから待ってろよ
必ずどんな形でも音楽で食ってやる
余裕が出たらあーちゃんとおたあちゃんに
恩返しとして行けなかった
旅行に行こう
家族で行けなかった旅行に行こう
全て俺持ちでいい
22年の恩を返せるか分からないけど
その一部返せるならもう何もいらないと言いそう
残りの9割は共に生きよう
死ぬまでには幸せになれるさ
俺がいるから幸せというあーちゃん
俺と出会えて幸せというおたあちゃん
なら俺はこの2人の孫でいれて幸せさ