俺の価値はそのステージ上にて

ポエトリーリーディング

憧れの人のステージ終わって

憧れの人に連れられて来たこのステージ

知らないバンドマンのライブだった

それをふてくされるように見てた

あのステージですごい楽しそうに

皆を盛り上げていたから

盛り上がる事が俺にも出来たのかな?

なんてただの妬みだった

あのステージに立つのは俺なら

憧れの人の名前呼んでステージを滅却させて

俺の歌を歌っていればよかったなんて

ただの…妬みでしかなかった今日この頃の

もう二度と味わいたくない思いを綴る

 

そのステージに立たなかった事を後悔と思え

真剣に見る憧れの人を横目にして

何やってんだ俺はタバコ吸ってる場合じゃないよな

なのに何も出来ずに音源聴いて盛り上がる声聞いて

悲壮に浸ってうんざりなんだよ

もうこんな想いは懲り懲りなんなだよ

あぁもうこんな想いはたくさんだよ

もう十分なんだよ

 

あれ?今俺の活動範囲って東京だけ?

待てよ?地元に帰って活動できんじゃないの?

ってなら東京来た意味は何なんだよ…

詩や歌にする事が本当の価値なら

地元でひっそりやっていればよくね?

なのにそんな価値見出すのに時間かけて

毎度の事のように鑑賞に浸ってるだけなんて

もう懲り懲りなんだよ

もうこんな想いはしたくないんだよ

ならもっと活動すればいいじゃん?

なんて言う奴も増えると思うんだけど

同じ立場に立てばわかる

右も左もわからない

前を向けば真っ暗な夜道のようにどこ歩いてるかなんて

分かってたらこんな想いなんかしないんだよ

絶対に…なのに

何事もなかったように帰ってただ悔しくて

寝て起きて仕事に向かうサラリーマンみたいな事して

また思い出して浸ってて何が変われるんだよ…なぁ?

本当はもう気づいてんだろ?

なぁ?

本当はやりたくてしょうがないのに

動けない自分に苛立ってんだろ?

なぁ?

憧れの人を見つめてライブできたらどれだけ嬉しいかわかってんだろ?

それなのに…それなのに…

また感傷に浸って

想いが募ってんだろうな…

 

所詮俺はこんなもんだから

散って終わると予想してた

そんな未来を誰が望むのか

こんな真実に前を向けるのか

俺は何度も何度も同じ目に当たり

変わってんのだろうか…否…

変わるより俺はまだできるんだろうなって

それだけで終わってる今を見つめて

慰めて終わってたんだろうな…

 

もしもさ、もしもなんだけどさ

俺があのステージに立てたなら

今の俺はなんて言えるんだろう

過去に浸る俺は未来の俺を妬むのかな?

それならそれで活力になるんじゃないのかな?

何もしない未来見るより今を変えたいと

何度も願うそんな思いを胸に蔵わずに

思う存分吐き出せたら

こんな想いも無くなるんじゃないのかな?

(間奏)

俺の価値はそのステージの上にて

花開くはずだ俺が一番やばい

何あいつって妬まれるくらいが

丁度いいかかってこいやと

俺の価値はあのステージの上だけ

輝くようになっているはずだ

憧れてほしい見ていてほしい

もう二度とあんな想いはたくさんだ…

 

ライブ終わりに

憧れの人に言った言葉

「いつか貴方と同じステージに立ちます」って

胸張って言えた俺はあいつらよりやばいだろ?